中学受験善し悪し 今だから言えるコト
現在高校生の娘
のびのび育てたいと思いつつ、同時に優秀な子たちの中で刺激を受けて欲しいとも思っていましたので、娘が3歳のときに首都圏に引っ越すことになったときから、中学受験はさせるつもりでした。
が、周囲の半数が私立中学に進むなかで、娘は公立の地元中学に進みました。
受験を辞めた理由と、私立公立のメリットデメリットについて、体験から考えてみました。
塾のせいでクラスが荒れて
低学年から公文か学研の教室に通って、4年生から日能研かサピックスというのが、定番となっている土地柄。
クラスのぴったり半分が、受験塾に通い中学受験をする地域です。
娘も少し遅いけれど、5年生の夏に入塾テストを受けさせるつもりが、本人からの「塾には行かない宣言」。
小学校のクラスの子ども半数がなんらかの塾に行っているなか、クラスが荒れている。
原因は「(成績の良い子たちが行く方の)塾の男子中心に学校の先生へのバッシング」らしい。
「そんなこと知ってる」、「低レベルでやってらんない~」なんて大きな声で言って授業にならない・・・
娘は、そんなクラスの雰囲気が嫌=「塾に通うと先生がかわいそう」という発想になったらしい。
うすうすはそんな状況に気付いていました。
学生時代に中学受験の家庭教師をしていた夫も「受験する子にとっては小学校の先生は見下す対象になりがち」と言っていましたし。
渦中にいれば、娘の嫌だという感覚がまっとうだとも思えました。
それほどあっさりとあきらめたわけでもありませんが、結局は娘の気持ちを尊重し、受験はしないことになりました。
わたし自身は同級生や学校の先生を見下す態度はいただけませんが、今も中学受験自体には否定の気持ちはありません。
公立中学にいくことのデメリット
地域の公立中学の評判が悪ければ、押しとおして私立受験をさせていたと思いますが、幸い先生方の努力で「すっかり良くなりつつある」という噂。それなら、と思った次第です。
実際娘が三年間通ってみても、マンモス校なのに落ち着いていて、先生方の熱心さが感じられました。本人はもちろん親としても後悔はありません。
ただし、学力面においてのハンディは確実にあると思います。
当たり前のことですが、生徒の理解力のばらつきが大きく、平均を標準とした授業にならざるを得ない。そこは覚悟のうえの公立進学です。補うために、塾嫌いの娘はZ会に真面目に取り組んでいました。
通信教材が続くかどうかは本人の性格によると思いますから、塾に抵抗感がなければ、一年生から通塾させたと思います。ただ、周りの優秀な女子たちにはZ会同志が結構いたようです。(高校時代に受けてみて続かなかった私としては、素直に感心しきりですよ~)
結局3年生から高校受験塾に通いました。そこを書きだすと長くなるのでまたにします。
今回は今感じている公立中学のデメリットです。
首都圏の優秀な子はそれなりの中高一貫校にいくとはいえ、公立高校でもS1クラスの大学進学者が多数いるのですから、その時点で一緒・・・かと思いきや・・・
どうやら甘かったなと思うのは、それなりの中高一貫校に通っている方にはあたりまえのこと、カリキュラムの進みの速さと、なにより無駄の無さ。
高校受験組は受験で使い果たした感がある高校入学時、
そこで聞かされるのは、「一貫校の同学年はすでに数1数Aが終わっている」という事実。
他の教科も同じくらいの偏差値の高校の生徒は確実に一年分進んでいる。(大きく溜息)
特に地理、歴史の無駄の無さと言ったら・・・
全科目センター対策は高2の早い時期に終わらせるのは常識らしい。
30年前も、公立進学校は2年間で3年分を終わらせていたけれど、中高一貫の強みでさらに一年前倒し、というかんじでしょうか。
娘本人はそんなことを聞かされても、「彼らは小学生のときから頑張っているわけだから」と受け入れています。が、ちっさい心持ちの親としては「やっぱり一貫校に入れておけば・・・」なんて今さらのことを思ったりもします。
中学受験のデメリットもある
あまりに当たり前のことですが、中学受験をするのがいいか悪いかはその子どもによりますね。
ずば抜けて優秀ならば、どこへいっても伸びるでしょう。
中学受験をしたところで、その時点で使い果たしてついていけない子もいれば、本人主体の大学受験にのりきれない子も結構いる。
そこは認めざるを得ないほど、人間の能力って個人差がありますものね。
数学オリンピック金賞の男子生徒は「数学が好き。筋トレのみたいな感覚で毎日数時間勉強しないと落ち着かない」なんて答えていますし・・・羨ましすぎ(笑)
でも大半は、頑張ればもう少し上を目指せるなんて思うから悩ましい。
努力できるのも才能。
周りでガーガー言ったところで、どう転ぶかはわからない・・・結局本人次第・・・遺伝とそれまでの環境ですね、となんの答えにもなりゃしない締めであしからず。
私立一貫校に行ったもののドロップアウトしたり、大学付属で本当に望む進路を目指せるのかの疑問、公立校との違いなど、周囲を見ていて思うことをもう少し→こちらに「続く」
※ この記事は別ブログ「からだの棚卸」から移行しました。
(元記事は2016年8月9日 一部修正アリ)